Notesは「短文SNS」ではなかった。Substackのアルゴリズムが教えてくれる、伸びる人の運用法
まず結論から
Substackのアルゴリズムを調べていて、面白いことに気づきました。
このプラットフォームは、内向型にむいている。
XやInstagramと違って、初動の勢いや感情刺激で勝負する場所ではないからです。
特に重要なのはNotesでしょう。
結論から言うと、Notesはただの短文SNSではない。
記事を発見してもらうためのエンジンであり、Substackの中核です。
今日はそんな話をします。
内向型のためのSubstack運用論や自分を取り戻すための思考を届けます
なぜNotesが重要なのか?
そもそもなぜNotesが重要なのでしょうか?
Substackは記事配信のプラットフォームなのに?
冒頭にも書きましたが、答えはNotesが「短文SNS機能」ではなく「Substack内部の発見エンジン」だからです。
Notesが広まると記事を購読してもらいやすくなる、とご理解ください。
Notesが記事購読に繋がる、という点はしばしば指摘されています。
たとえば公式ガイドにはこうあります。
「Substackをローンチする週に3つ以上の考えぬかれたNotesを投稿した書き手は、投稿しなかった書き手に比べて、購読者を50%多く獲得している」
“Writers and creators who post three or more thoughtful notes during the week they launch their Substack gain 50% more total subscribers than those who don’t.”
また、WES PEARCEはSubstackの購読者を追跡したところ、
「今年の成長の81%が、ひとつのソースから来ていた。Substack Notesだ」
“81% of my growth this year came from one source. Substack Notes.”
と語っていますね。
要するに、現在のSubstackはNotes→購読という経路を意識して設計している可能性が高い。
実際、The Wolrd Dataの分析では Substackアプリ内部からの新規購読者は、2025年の3ヶ月間で3,200万人に達しています。
外部のソーシャルメディア、つまりXやインスタではなくNotesとアプリ内Recommendationsからで、です。
これだけでもNotesの重要性がわかるでしょう。
今のSubstackは、Substack内部だけで読者獲得から有料購読まで完結できる設計になっている。
Notesが広まれば購読もしてもらいやすくなる。
購読者が増えれば有料購読者も増える。
Substackの利益になる。
そういう構造だからこそNotesが重要なんですね。
Notesのアルゴリズム設計思想について
続いて、気になるNotesのアルゴリズムについて。
まずは「目的」、つまりは設計思想を見てみましょう。他のSNSとは違う方向性なのがわかると思います。
2025年11月、 Substackの機械学習部門責任者Mike Cohen がNotesアルゴリズムの設計思想について語っています。
「要するに、フィードの目的が何かに尽きる。ゴールは人々が発見し、購読し、理想的には支払うようにすることだ。そのようにフィードを作り、購読数を増やすことを確実にするために繰り返し改善している」
“It ultimately boils down to what the objective function of our feed is. The goal is to get people to discover, subscribe, and ideally pay. That’s how we built the feed and how we continue to iterate to make sure that we’re driving subscriptions up.”
また、Substack共同創設者である Hamish McKenzieいわく
「ソーシャルネットワークは、おかしな方向に進んでしまった。エンドレスなスクロールにユーザーを閉じ込めるように設計されている。それがビジネスモデルの要求だからだ。彼らはユーザーにアプリから離れてほしくない。
ユーザーが長文の物語を探しに行くことも、書き手と信頼関係を築くことも、望んでいない。ただスクロールし続けてほしいだけなのだ。」“ Social networks have gone in a strange direction. They’re designed to keep you trapped in an endless scroll because that’s what their business model requires. They need you to never leave the app.
They don’t want you to go find a long-form story or build trust with a writer. They just want you to keep scrolling”
これらから読み取れることはシンプルです。
Substackのアルゴリズムは「滞在時間の最大化」を目的としていない。
あくまで「価値観のあう人に届ける」「購読者に転換させる」を目的としている。
X、Instagram、Tiktokなど、現在主流のSNSとの決定的な違いがここです。
Substackにとっては購読者、特に有料購読者が増えればそれだけ利益になる。
日本だとそれこそnoteに近いです。どちらも広告じゃなくて手数料モデルですしね。
Notesを「おすすめ」に載せる実践ガイド
「話はわかった。で、具体的にはどうすれば「おすすめ」にのるんだ?」
当然の疑問ですよね。
おすすめにのるということは、つまりSubstackのアルゴリズムが「価値がある」と判断するということです。
もういちど、Substack公式記事”Demystifying the feed”を見てみましょう。
Our top recommendationsとして5つのポイントがあげられていますが、こちらはやや抽象的。
大事な点を私なりにまとめると、以下3つです。
1:リスタックと引用を使え
先ほども出てきたMike Cohenは具体的なアクションとして以下を挙げています。
「今夜、書き手が楽しんだ他のものから引用を抽出したり、リスタックしたりする良い例を見た。これらの行動は素晴らしい。なぜならSubstackプラットフォーム内で完結するので、行動のライフサイクル全体を理解し、オーディエンスを交差させる助けになるからだ」
“Tonight we saw some really good examples of writers extracting quotes from other things they’ve enjoyed or restacking. Those actions are great because they all happen on the Substack platform, which means we can understand the full life cycle of behavior and help intersect audiences.”
つまり、Substack内のコンテンツをリスタックしたり引用したりするのはアルゴリズム的に強い。
これは特に初動では重要でしょうね。何者でもない人がひたすらNotesを書いても、見つけてもらうのはなかなか難しい。
Substack内の強力なコンテンツをどんどんリスタックしたり引用したりするのは、やはり効果があるようです。
なお、引用については価値ある引用であることが最重要だと思われます。
「共感です!」「勉強になります!」はあまり意味がない。
このあたりはXと同じかな。
2: 自分は誰で、なぜここにいるか」を明示せよ
文中ではファッションライター Viv Chenの例があげられています。
「32,535人の新規購読者、4,546ドルの収益増。彼女は自分が誰で、なぜSubstackにいるのかを明示的に説明するNotesを投稿している」
“She often posts notes that very explicitly share who she is and why she is on Substack. This note drove 32,535 new subscribers and a $4,546 revenue increase.”
要するに「自分が何者か、何を目的としているのか、どんなことをやっているのか」を明示する。
読者にとっての「機能、役割」をちゃんと語る。
自己紹介と価値提案を明示するNotesは強いわけです。
アルゴリズムが「このNoteは購読転換可能性が高い」と判断する根拠になるからですね。
具体的には、
自分の専門性や経験を明示する
何について書いているかを一言で伝える
購読すると何が得られるかを明確にする
などが有効と思われます。
フィードを見て「この人、急激に伸びているな」という投稿者がいたら、この観点からチェックすることをお勧めします。
3:継続的に投稿せよ
「この数ヶ月、アルゴリズムの中核的な検索ステップに変更を加えた。あなたの読書やフィードの旅路が停滞しないようにするためだ。詩の連投中なら、それを表示し続けるが、永遠ではない。あなたが今どの流れにいるかを理解したい。フィードをより動的で生きたものにしようとしている」
“We’ve made changes in the last couple of months to the core retrieval step of the algorithm to make sure that where you are in your reading or feed journey isn’t stagnant. If you’re on a poetry streak, we’ll keep giving you that, but not forever. We want to understand where you are in your flow. We’re trying to make the feed more dynamic and more alive.”
ちょっとわかりにくいですが、要するにアルゴリズムは「あなたが今、継続的に投稿している流れにいるか」を観察しているということです。
投稿が止まると、アルゴリズムが「この書き手は今アクティブではない」と判断し、可視性が下がる構造になっています。
これはまあ当然ですね。
アクティブではない書き手を、プラットフォーム側が優遇する理由はありません。
一旦まとめると
リスタック+引用
自己開示
継続的な投稿
「おすすめ」にのるにはこの3点が重要。
逆に言うと、小手先のテクニックやハックは効果が薄い可能性が高い。
ここは頭に入れておいた方が良さそうです。
XとSubstackの構造的な違い
XとSubstackは一見すると似ています。
が、実際には構造レベルで違う。この点も解説しておきますね。
Xの目的: 滞在時間の最大化
X、Instagram、TikTokなどのソーシャルメディアは広告収益モデルです。
広告収益=滞在時間なので、アルゴリズムは「ユーザーを長くプラットフォームに留める」ことを目的とします。
たとえばXなら、アルゴリズムは以下のような特徴を持ちます。
新しさへの重視: 古いコンテンツは滞在時間に貢献しないので排除される
初動エンゲージメントへの依存: 投稿後の数十分〜数時間で反応がないと、その投稿は埋もれる
感情刺激の優遇: 怒り、驚き、不安などの強い感情は滞在時間を伸ばすので推薦される
リポストの重み付け: 拡散はネットワーク効果で滞在時間を増やすので、初動のリポストが重要
つまりXの場合「初期で拡散されなければ、そのポストは終わる」という構造が組み込まれているわけです。
Substackの目的: 購読転換
Substackは広告収益モデルではなく、手数料モデルです。
広告主への説明責任がないので、滞在時間の最大化は目的になりません。
代わりに、以下の特徴があります。
時間減衰の弱さ: 数日前の投稿でも、購読転換しそうなら推薦される
オーディエンス重複への重み付け: 似た読者層を持つ書き手のコンテンツが、相互に表示される
エンゲージメントの質への重み付け: いいね数より、リスタック、コメント、購読転換が評価される
アルゴリズム的推薦の強さ: フォロー外の読者にも、関心の合うコンテンツを継続的に出す
⠀ある記事ではこう表現されています。
「他のSNSフィードは広告を見せるためにあなたをプラットフォームに留めるよう設計されている。他のSNSにとって広告=お金だ。Notesは違う。Notesは書き手がより多くの購読者を得られるように設計されている」
“Other social feeds are designed to keep you on their platform so they can show you ads. For other social media platforms: Ads = money. (This is why Instagram can keep you scrolling for hours and why LinkedIn shows you engagement bait instead of useful knowledge) Notes is different to other social feeds. It’s designed to help writers get more subscribers.”
つまり、アルゴリズムも設計も違う。
XとSubstackは似ていながら、全く異なる仕組みを持っています。
メガインフルエンサークラスでもない限り、この点を理解せずに運用すると逆に事故る可能性がある。
特に内向型にとって、この違いは大きい。
Xの「初動エンゲージメントへの依存」「感情刺激の優遇」という構造は、静かさを好み、刺激に弱い内向型には不利になりやすい。
一方Substackの「時間減衰の弱さ」「エンゲージメントの質への重み付け」は、内向型の発信スタイルとそのまま噛み合う。
冒頭で「Substackは内向型にむいている」と書いた理由はまさにここなんですね。
まとめ
まとめます。
SubstackのNotesアルゴリズムをふまえての対策は3つ
1. 「自分が誰で、何を提供しているか」を明確にしたNotesを継続投稿する
Substackのアルゴリズムは、「この読者は誰の購読者になりそうか」を予測しています。
だから、「自分が誰で、何について書いていて、購読すると何が得られるか」を明示するNotesが有効。
この基準をもって継続投稿することがアルゴリズムへのシグナルになりそうです。
2. リスタックと引用でオーディエンスを重複させる
Substackはリスタックと引用を推奨しています。
理由は、アルゴリズムが「あなたの読者層」と「他の書き手の読者層」の重複を学習できるから、と考えられます。
なので意識してオーディエンスを重複させる。具体的には「これだな」と思った投稿を積極的にリスタックし、引用する。
言いかえれば、価値観の合う書き手を重視するわけですね。これがWin-Winとなります。
逆に無差別な相互フォロー作戦などは、長期的にマイナスの可能性が高い。
これについては記事を準備中なので後日書きますね。
3. Substack内部で動く
Substack は内部で回遊できる設計になっています。少なくとも、それをはっきりと目指している。
文中でも述べたNotes→記事購読→有料購読という経路ですね。
この点を理解し、Notesにも力を入れていく運用がかなり有効でしょう。
ついつい他のSNSから誘導したくなってしまうでしょうし、それも有効ではあるのでしょうが、そちらをメインにしない。あくまでもNotesを重視し、そこから購読につなげていくという仕組みで動く。
ある程度のスパンで見れば、これが最もアルゴリズム的にも有効である可能性が高いです。
最後に
以上、Substackの重要機能であるNotesについて、伸ばすために役立つ運用法を解説してきました。
今回の記事が少しでもあなたの役に立てば嬉しいです。
私見では、「声の大きさ」で勝負しないタイプの発信者にとってSubstackは動きやすい場所だと思います。
私自身もまだ運用初期ですが、また気づきがあれば共有していきます。
内向型のためのSubstack運用論や自分を取り戻すための思考を届けます



